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改正道路交通法の自転車への影響について

 このサイトの中でも散々書かれていますが、自転車は「軽車両」のため本来は車道を走行することが原則になります。 しかし、それが認知されているとは現状では言えないですよね。

 本来は、歩道を走行すると2万円以下の罰金又は科料という罰則もあるのですが、お巡りさんに出合っても捕まる事はまず無かったですよね。お巡りさん自体も歩道を走ったり、車道の右側を走行してたりするのを見ますし。

 しかし、昨年の6月改正道路交通法が成立し今年6月に施行されます。その流れとして、ついに自転車の車道走行が明示されます。

 すべての状況で車道走行という訳ではなく、「車道又は交通の状況に照らして、通行の安全確保のため歩道走行がやむを得ないと認められる場合」は歩道走行がOKというように、これまでの「自転車は車道」から緩和されて、一部歩道の走行が認められました。

 上の歩道走行がやむを得ないと認められる場合とは、
 ●道路工事や連続した駐車車両等のために車道の左側の通行が困難な場所を通行する場合。
 ●著しく自動車等の交通量が多く車道の幅員が狭いなどのために、追越しをしようとする自動車等との接触の危険がある場合。
が例示されています。

 それと、先日のニュースにもあったように、13歳未満の子供と70歳以上の高齢者、身体障害者については、道路標識がなくても歩道を走れるとする改正案もまとめられています。

 この他にも、
 ●歩道を通行できる場合でも、歩道では徐行しなければならない。
 ●自転車の運転者は、警察官等の指示があった場合のほか、歩行者の通行を妨げ、又は歩行者の安全を損なうおそれがあるときは、歩道では自転車を押して歩くこと。
 ●横断歩道では、例外的に歩行者の通行を妨げるおそれのない場合を除き、自転車に乗って横断してはならない。
 ●携帯電話の通話、操作等による片手での不安定な運転や、ヘッドフォンの使用等運転中に周囲への注意がおろそかになるような行為をしてはならない。
 ●歩道等でみだりに警音器(ベル)を鳴らしてはならない。
 ●雨の日に自転車に乗るときは、傘を使用せず雨合羽等を着用すべきであり、傘を自転車に固定 して運転することも危険である。
 ●保護者は、子供が自転車を運転するときや、幼児を幼児用座席に乗せるときは、子供に自転車 乗車用ヘルメットを着用させるようにしなければならない。

 自動車運転者が注意すべき事項として、
 ●自転車は不安定であり、身体を防護する機能がないなどの特徴があるので、自転車の安全に十分配慮すべきこと。
 ●自転車を追い越し、その他自転車のそばを通るときは、自転車との間に安全な間隔をあけるか、 徐行しなければならない。

 などが、自転車の通行方法等に関し周知すべき事項として取り上げられ、「交通の方法に関する教則」としてまとめられ、自転車運転のルールとなります。

 言われなくても安全のためには当たり前、みたいな内容もありますが、一部の心無い自転車利用者のためにもこのような明示は必要なのでしょう。

 ところで、自転車の車道走行に抵抗がある方もいるかもしれませんが、これまでも本来は禁止だったわけで、この改正で禁止になったわけではありませんので勘違いなさらないよう。
 上述の通り、逆に緩くなったとも言えるでしょう。メリハリが付いた、という訳ですね。

 自転車と歩行者の接触事故が増えている昨今、私個人としては、この教則の改正は、自転車、歩行者、自動車の安全に配慮した良い改正だと思っています。自転車の利用者として考えると、確かに不便になる部分はあるかもしれませんが、安全に道を利用できるのが一番大事だと考えます。

 ただし、行政が車道を自転車が安全に安全に利用できるよう整備してくれる事が肝心ですが。現状の道路のまま車道を走らされたら、危なくて仕方ありませんからね。自転車対歩行者の事故が減っても、自転車対自動車の事故が増えたら本末転倒ですから。



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